2008年12月03日
オバマの経済顧問ラリー・サマーズにロシアとの暗い過去(RussiaToday)
ロシアに新自由主義、規制緩和策を押し付けることで、大災厄を齎した。オリガーキーの蓄財プロセスにも関係がある。米露利害相反的な行為もあった。さてロシアにとって彼は?とRussiaTodayが言う。
ラリー・サマーズについてはウィキペディア( http://ja.wikipedia.org/wiki/ローレンス・サマーズ )にコンパクトな紹介がある。学問業績面では顕著な実績があるが、中々物議をかもした人物でウィキの項目「人物、言動、評価」には時期区分ごとにその解説がある。サマーズ・メモ、財務長官時代、ハーバード大学学長就任当初、男女間の能力に関する発言、学長不信任案の可決といった具合だ。性格的に傲慢で「サマーズに謙そんを求めるのは、マドンナに貞操を期待するようなもの」と評された。
我々の関心は経済だから、彼の根本思想を暗示する「サマーズ・メモ」について引いておこう。
<サマーズ・メモ
1991年12月に、世界銀行チーフエコノミストの時期に、あくまで内部文書という意識で「グローバル経済展望」というタイトルでサマーズ・メモ(Summers memo)と呼ばれる長文のメモランダムを書いた。そのメモの大意を要約すると「世界銀行は、公害産業を開発途上国にもっと移転することを推奨すべきである。」というものである。
サマーズ・メモは大別して以下の3つの論点からなる。
・環境汚染によるコストは、健康被害による死亡や傷害のおかげで受けとる機会を失う稼得額に依存するが、最貧国においては低コストで済む。
・環境汚染によるコストは、環境汚染が増大することによって当然、上昇する。したがって汚染を既に汚染が進んでいる国からまだ汚染されていない国に移すことは、コストの低減を意味する。
・所得水準が上昇すると、環境に対する意識が高まるので、汚染物質の処分にコストが一層かかる。故に環境汚染が経済先進地域から貧困地域へ移るならば、コストは低下する。
サマーズは経済学の論理からすれば、有毒廃棄物を最低賃金国に投棄(dump)することは反論の余地のない提案であって、われわれはこの真理に直面しなければならないとメモに記した。当然、このメモの内容は内外で大きな反響を招いた。サマーズ・メモに対する第一の批判は環境保護論の立場からでグリーンピースなどはサマーズの辞任を求めた他、ブラジルのホセ・ルッツェンベルガー環境相は「経済学者の横柄な無知」と批判した。第二の批判は、サマーズのみならず世界銀行のエコノミストが新自由主義に基づく経済政策を世界レベルで押しつけているのであって、サマーズ・メモをアメリカを頂点とする世界経済システムの一表象として、世銀副総裁であるサマーズに発言を続行させて新自由主義が持つ問題点をあぶり出すことを求める見解であった。
世界銀行とサマーズは、メモについては、あくまでもサマーズ個人の立場からの発言であり、世界銀行の立場を公式的に現したものではない。サマーズ・メモは皮肉な対位法の意味で示されたと弁明したが、いずれにしても、世銀及びサマーズにとっては著しい不名誉ではあった。(止め)
オバマ次期大統領は次々主要閣僚を発表している。経験重視、実務型という「変革」とは縁遠い人選で、クリントナイトと呼ばれるクリントン人脈が復活した。そこに登用された人物がいかなるものか、が実際上はオバマの政策に色濃く現れ出ることになる。その意味で主要分野の主要人物について月旦(批評、吟味)が大いに重要となる。本ブログでは外交、国防、経済の三分野について適宜取り上げてゆきたいと思う。
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