ソマリ海賊対策として日本も他国並みに護衛艦派遣方針を固めた。各紙の伝える所だが、たとえばー
<政府は25日、海上警備行動発令によるアフリカ・ソマリア沖での海賊対策について、日本から新たに護衛艦を派遣する方針を固めた。インド洋に派遣されている海上自衛隊の護衛艦を活用すると補給活動に支障が出る可能性があり、海賊対策に特化した派遣の方が、より実体的な任務が行えると判断した。ただ、派遣準備に十分な時間が取れないなどの問題もあり調整を急ぐ。(産経、12/26 全文はこちら)
ここで海上警備行動でよいのか、と防衛省筋から慎重論がある。軍事評論家の佐藤守氏は思わず吹き出したらしい。(同氏のブログ12/25)
<1、『対象が2300隻以上にのぼるため、当面は日本籍船に限って護送を行う方針だ』そうだが、護送中に遠方で海賊に襲われている外国籍船舶を見つけたらどうするのだろう?
2、『海賊船から攻撃を受けた場合には、警察官職務執行法に基づき同等程度の武器での反撃を認める』そうだが、これじゃテロリストや海賊は襲撃しやすいだろうから、抑止にもならないだろう。海自艦艇に護送されている船舶を『AK47』で攻撃すれば、艦艇は『小銃』で応戦する。それでは海賊は少しも「怖くない」だろう。ピストルを撃ったら、5インチ砲弾が飛んでくるから、彼らは手出ししないのである。
3、麻生首相は『(自衛隊の)艦船が航行するだけでひとつの抑止力が働く』と言ったそうで、パトカー並みに考えているようだが、平時に『パトロール』して航行しているのならともかく、現に海賊の襲撃から護衛するために出動するのだから、航行するだけでは意味がなかろう。
それも一般法制定までの過渡的措置だそうで「日本から派遣するのでは到着までに一ヶ月程度を要する」から、当面は『インド洋に派遣している護衛艦1隻で対応する方針で、任務をあらかじめ護送対象に決めた船の伴走のみに限る」という。給油活動中の給油艦の護衛は不要らしい。(止め)
現場での実際行動を考えるなら、佐藤氏の言う通りなのだろう。だが、訳の分からない政府方針の陰には当然日本の平和主義、ひいては九条護憲がある。戦闘行為=戦争行為と看做して反対する人々がいるだろう。
此所で問題は海賊に襲われた日本人、実質日本船舶を救助しなくてよいのかだ。外国の領海、管轄内であれば当該国に依頼すれば一応は済むのだが、領海外=公海での海賊事件を取り締まる国はない。それこそ国連の問題になるのだが、国連がかなり踏み込んだ(行き過ぎた?)決議をして対応する中で、その現場を担う勢力が現実には各国になる。その各国は自国船舶の護衛を目的にせざるを得ない。他国船舶護衛の為に軍艦を派遣出来る筈がない。勿論、海難救助同様に他国船の難儀を看過することは出来ないだろうが、それが主目的にはなり難い。
日本が自国船舶を護衛しないとしたら、どうするのか。米軍に頼めばいいと言われそうだが、外注も自国軍事力の行使に等しいことを忘れてはなるまい。傭兵は自国兵でないという理由で戦争したらおかしいのと同じだ。
自国船舶を護衛しないという選択が日本にあり得るのか。国民の生命財産を守るのが国家の一大事の筈だが。。。
2008年12月26日
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