2007年09月22日

インド洋での海上自衛隊の給油・給水活動は有志連合への支援である

 テロ特措法の期限延長問題が大きな政治問題とされ、小沢民主党代表がシーファー駐日米大使と会談した時(8/8)に、アフガニスタン戦争に関わる海上自衛隊の派遣は国連安保理の決議に基づいたものではないという論法で延長を拒否し、話題を呼んだ。読者の中には小沢氏の論法におやっと思った方がいたかも知れない。アフガン戦争は国連のお墨付きがあったのではないかと。

 確かに国際治安支援部隊ISAFは国連安保理決議1386号(2001.12.20)に基づき、2001年12月に設立された。911事件後のこの直前の決議は1378号で日付は2001.11.14だ。そしてアメリカがアフガンに侵攻したのは10月、カブール陥落が11月だったから、形式上、アメリカの侵攻が後付けで承認された格好だ。つまりアフガン侵攻は国連議論をしつつも緊急避難の自己防衛という建前で有志連合が呼応したものだ。

 アフガンでの作戦行動は有志連合による「不朽の自由作戦」と国際治安支援部隊ISAFによるものとが混在している。タリバン政権が崩壊した後も治安維持に有志連合軍が残留した格好だ。テロ特措法はアメリカからの有志連合参加要請を受けて対応したもので11.2に発効した。ウィキペディアによれば、自衛隊のインド洋派遣経緯は次の通りだ。
【引用開始】
海自艦船の出動
テロ特措法は11月2日に施行されたが、まだ基本計画も決まっていなかったため、防衛庁設置法第5条の「所掌事務の遂行に必要な調査及び研究」を根拠として、海自の護衛艦2隻と補給艦1隻からなる艦隊をインド洋に派遣することになり、11月9日に補給艦「はまな」、護衛艦「くらま」「きりさめ」を初派遣した(指揮官は本多宏隆第2護衛隊群司令)。また基本計画決定後の同年11月25日には補給艦「とわだ」、護衛艦「さわぎり」、掃海母艦「うらが」が有志連合の一員として派遣され、先行派遣された3隻もテロ特措法に基づく活動に移った。
活動内容

協力支援活動
海上自衛隊の補給艦は、アラビア海を中心としたインド洋で、「不朽の自由作戦」の海上阻止活動(OEF‐MIO:Operation Enduring Freedom-Maritime Interdiction Operation)に従事する米軍などの艦船に対して、洋上補給(給油)を行なってこれを支援している。
海上阻止活動は、武器・弾薬やテロリスト、資金源となる麻薬などの海上輸送を阻止する活動である。この活動を行なう艦船に洋上補給を行うことで、その艦船が燃料補給の度にわざわざ寄港する手間を省くことができ、作戦活動の効率化に役立つ。
被災民救援活動
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)からの要請を受け、掃海母艦「うらが」と護衛艦「さわぎり」がアフガニスタン難民のためのテントや毛布など、計約200トンの救援物資をパキスタンのカラチ港まで輸送した。「うらが」が帰還してこの活動は終了した(平成13年11月25日〜12月31日)。ただし「さわぎり」は「はまな」などと合流して協力支援活動に移った。
【引用終了】
不朽の自由作戦クリック拡大してご覧頂きたい。
出所)防衛白書2007年版

 これで明らかなようにインド洋上での海自の協力支援活動は有志連合OEF‐MIOの兵站活動なのだ。アフガン国内に派遣された国際治安支援部隊ISAFへの補給ではないのだ。これを小沢氏は指摘したものだ。なおテロ対策特別措置法の正式名称「平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法」にもその間の事情が表現されている。

 不朽の自由作戦への協力活動は国連決議に基づくものではない、という小沢主張は正しい訳だ。アフガニスタンと云えば国連と短絡し勝ちだが、二つの活動があることに留意しておく必要がある。インド洋上の支援は明確に有志連合の作戦への協力だ。イラク戦争への流用疑惑もないわけでなく、曖昧なまま国連活動への協力だと思ってはならぬだろう。
posted by マロニエ at 08:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス: [必須入力]

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/56567769
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック